縁を切った親の財産でも相続できるのか?
司法書士の手塚宏樹です。小平市・花小金井駅南口で司法書士事務所を経営しております。
相続のご相談を受けるなかで、ご家族との関係があまり良くないという方からのお話を聞くことがあります。そこまでいかなくても、長年、ロクに会話もしていないということはけっこうあるのではないでしょうか。
この記事では、どんな場合に相続できて、どんな場合に相続できないかをご説明します。
目次
相続できないのはこの場合
法律上、相続できないのは下記の場合です。
- 相続放棄
- 廃除
- 相続欠格
相続放棄
家庭裁判所に対して、自分は一切の財産を相続する意思がない、と表明し認められることです。詳しくはこちらのページをご参照ください。
廃除
被相続人が、家族からとてつもなくひどいことをされたとか、侮辱されたとか、とにかく怒り心頭で「お前には財産なんかやらん!」というものです。家庭裁判所で認められる必要がありますので、たんに「お前とは絶縁だ!勘当だ!」というだけでは、法律上の相続にはなんの効力もありません。
相続欠格
財産狙いで被相続人を殺害したような場合は、その人は相続権を失います。また、無理やり自分に有利な遺言書を書かせたりといったことも、相続欠格にあたります。
遺言書をつかえば相続させないことは可能
上でご説明したように、たんに仲が悪いとか、勘当されたとかいったことで相続権を失うことはありません。ただし、遺産分割協議は難航するかと思いますが……。
被相続人が遺言書を書いていて、その中で「放蕩息子にはビタ一文やらん!」とあれば、それは効力があります。ほかの相続人で遺産を分けてしまうことができます。
しかし、相続人には最低限の保証という意味合いの「遺留分」というものがあります。たとえば、故人が全財産を自分の妻と子どもに渡さずに、愛人に渡すという遺言をのこしていたらどうでしょうか。家族は生活が立ち行かなくなるかもしれません。基本的に、自分の財産をどうしようと自分の勝手なのですが、最低限は法定相続人に権利を認めているのです。
この場合でも、妻と子どもが何も文句を言わなければ、愛人が全財産をもらうことにはなります。関わり合いになりたくない、といえばそれで終わりです。
相続人には遺留分がありますが、その人が権利を行使しなければ、その人は何ももらえないということになります。
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