デジタル遺産について遺言に記載するときに、何に気をつけるべきか
司法書士の手塚宏樹です。iPhoneに入っている写真、クラウドにアップロードしている写真、Kindleの中の書籍、私たちは様々なデジタルデータとともに生活をしています。
今までの相続では問題になりにくかったわけですが、今後は、そのようなデジタルデータに慣れ親しんだ世代の相続が発生していきます。
そのときに、データをどのように扱えばいいのかはこれからの課題です。
目次
デジタル遺産とは
法律的な定義があるわけではないですが、オフライン上のデータとオンライン上のデータの双方を指すと考えられます。オフライン上というのはiPhoneやPCに直接入っているデータで、オンライン上のデータはEvernoteやDropbox、グーグルフォトにアップされているデータや、メールアカウント、SNSアカウント、暗号資産、管理しているWEBサイトなどなどです。
物体としてのiPhoneやデジタルカメラは、動産と考えるのが自然でしょうから、デジタル遺産というのは「データ」というイメージで語るのが良いと思います。
デジタル遺産の処理
別の記事(自分が死んでしまったら、GmailやEvernoteはどうなる?)では、各種サービスのアカウントについて、どのような対策があるかについて書きました。
Facebookでは「追悼アカウント」の管理人を設定できたり、Gmailのアカウントは一定期間ログインがないときに指定した操作を実行してくれる、というものがあります。
しかし現状では、すべてのサービスにおいて、利用者の死後にその人のアカウント、データがどのように扱われるかについて明確な規定は置かれていないでしょう。
であれば自分自身で、デジタルデータの取り扱いについて、自分の死後に誰かに依頼するということも検討する価値があると思います。
何を依頼するか
- デジタル遺産を相続させる
- デジタル遺産を破棄してもらう
- 一部については継続して保管し、残りは破棄してもらう
遺言で第三者に依頼する方法
iPhoneやPC、デジタルカメラなどの物体を誰に引き継いで欲しいかということを明確にし、それらの内部データ及びその他のデータの処理方法についてセットでお願いをする方法が考えられます。「あげるから処理してね」というイメージですね。法律的には負担付の遺産分割または遺贈ということになるでしょう。
エンディングノートで第三者に依頼する方法
こちらのリンクからEvernote用のエンディングノートをお使いいただけますので、ご参考にしてください。
遺言書よりも細かく指示を書けると思います。
※アカウントのパスワードの取り扱いには十分ご注意ください。
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