遺産分割の仕方~きれいに分けられない場合どうするか?
司法書士の手塚宏樹です。遺産分割をするとき、いちばん分けやすいのは現金、預金です。遺産が現預金のみであれば、希望の数字どおりに分割することができます。
しかし、遺産が不動産のみ、あるいは不動産と少しの現預金のみ、という場合は、分け方に困ってしまうことがあります。
目次
遺産分割の基本
故人が遺言を遺していればそれに従うことになりますが、遺言がなければ相続人全員が協議をして、遺産を分けることになります。
民法には法定相続分の規定がありますが、相続人同士で合意をすれば法定相続分の規定は関係なく分けられます。
配偶者がすべての遺産を相続し、その他の相続人はゼロということも可能です。
そのようなケースであれば何も問題はありませんが、相続人がそれぞれ自分の相続分を主張している場合は、少ない現預金では調整ができないこともあります。
遺産分割のやり方
遺産分割のやり方にはいくつかの方法があります。
現物分割
自宅不動産は配偶者、現預金は子、というように現物をそのまま分けるやり方です。自宅不動産の価値と、現預金の価値がイコールになっている必要はなく、相続人全員が納得すればどのようにでも分けることができます。
不動産を相続人同士で「共有」とすることも可能です。
1筆の土地を分筆して、複数の土地とし、相続人が1筆ずつ相続するということもできます。
換価分割
不動産を売却して、その売却代金を相続人で分け合うものです。現預金が少ないが、相続人で均等に遺産を分けたい場合によく利用されます。
手続きとしては、いったん相続人全員の共有名義に相続登記をしたのちに、第三者への売買の登記をします。相続登記の完了までには数週間の余裕が必要ですので、売却を予定している場合は早めに司法書士に相続登記の依頼をしてください。
代償分割
遺産が自宅不動産しかないような場合に、自宅不動産を長男が相続する代わりに、長男が他の相続人に対して代償金を支払うというものです。
故人が現預金を多く残してくれていれば、その金銭でもって相続人間の取り分の調整ができますが、それができない場合は、長男のポケットマネーからお金を支払って解決するという策です。
代償金はお金でなくてもよい
長男が現金を用意できないときは、長男が保有する長男名義の不動産を代償として他の相続人に渡すこともできます。「遺産分割による交換」という登記をすることになります。
当事務所では、提携税理士とともに代償分割による登記にも対応しています。
無料相談フォームはこちら
メールは24時間以内にご返信します