預金などは後回しで不動産だけ相続することはできるか?
司法書士の手塚宏樹です。小平市・花小金井駅南口で司法書士事務所を経営しております。日々、相続のご相談を受けるなかで、ときどきあるご質問が「預金の分け方はまだ決まっていないのだが、不動産の名義変更だけ先に行うことはできるか?」というものです。
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遺産分割協議とは
亡くなった方の遺産を、相続人のあいだでどのように分けるか決定する話し合いのことです。これは必ず相続人全員で行わなければならず、一人でも除外した話し合いは無効となります。全員の実印と印鑑証明書が必要になります。遺産分割協議の作成について、詳しくはこちらのページをご参照ください。
遺産の一部についてだけ協議をすることはできるか
故人の財産には、自宅などの不動産や、預金、株式、自動車など様々なものがあるかと思います。理想は、そのすべてを洗い出してから、長男が不動産を、次男が預金を、株式は長男と次男が半分ずつ、というように決めるのがよいでしょう。
しかし、たとえば、不動産をすぐに売却したいので、不動産の名義変更登記だけ先行してやってしまいたい、という要望もあります。結論からいうと、これは可能です。不動産だけについて遺産分割協議をして、だれが相続するのか決定することができます。また、自宅と別荘がある場合に、別荘についてだけ協議をして相続登記をすることもできます。
遺産分割協議を何回かにわけて行う
自宅についてだけ遺産分割協議をして相続登記をしたのちに、残りの財産について遺産分割協議をすることになります。注意しなければならないのは、すでに行った自宅についての協議をやり直すということは基本的にナシということです。売却までしていればもちろんですが、そうでない場合でも税務的に問題が生じることがありますので、一度行った遺産分割協議をやり直すということは、税理によくよくご相談いただくのがよろしいかと思います。
そもそも、最初の時点で、やり直すはしないという前提で遺産分割協議をするべきですね。しかし、不動産についてだけ、または一部の不動産についてだけ遺産分割協議をし、その旨の相続登記をするというのは違法でも何でもありませんので、自由に行うことができます。
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