東京都小平市で、遺産相続手続(相続や相続放棄等)、不動産名義変更、遺言、生前贈与、金融機関の解約、戸籍謄本の収集代行、遺産分割協議書の作成などを行う手塚司法書士事務所です。西武新宿線・花小金井駅徒歩5分

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遺言

遺言書はどこに保管するのがベストか?

    司法書士の手塚宏樹です。平成17年より小平市・花小金井駅南口で相続専門の司法書士事務所を経営しております。遺言作成のご依頼があるときには、公正証書遺言をお勧めしていますが、ときに自筆証書遺言のご相談も受けます。内容についてご依頼者の方と一緒に考えるとともに、書き上がった遺言書はどこに保管すればいいのか?という問題もあります。この記事では、遺言書をどこに保管するのがベストかということについて検討してきます。

    自筆証書遺言と公正証書遺言の違いは?

    自筆証書遺言とは、文字どおり自分で書く遺言です。紙をペンがあれば、いつでもどこでも書くことができます。それに対して公正証書遺言とは、公正証書のかたちで作成する遺言なので、公証役場というところで作成します。公証役場から出張してもらうことも可能ですが、いつでも、というわけにはいきません。

    こちらの記事でさらに詳しく説明しています

    自筆証書遺言の保管場所として考えられるのは?

    公正証書遺言ならば、公証役場において半永久的に保管してもらえます。原本が公証役場に存在し、その写しを遺言者本人が受け取ります。もし写しを紛失してしまった場合でも、原本が公証役場にあるのでその写しを発行してもらうことができます。しかし、自筆証書遺言は、自分で書いた原本1通しかこの世に存在しません。紛失してしまう可能性もありますし、見つけてもらえない可能性もあります。公正証書遺言ならば、「公証役場で遺言を作成した」ということさえ相続人が知っていれば、日本全国どこの公証役場でも検索してもらえます

    では、自筆証書遺言はどこに保管するのがベストなのでしょうか。考えられる場所をあげてみます。

    1. 自宅の金庫
    2. 自宅の大事なものを入れてある引き出し
    3. 銀行の貸し金庫
    4. 家族に預ける
    5. 友人に預ける
    6. 司法書士などの専門家に預ける
    7. 信託銀行に預ける
    8. 遺言書保管制度を利用して原本は法務局に。その旨をエンディングノートなどに記入しておく

    まず、遺言書の中身を知られてもいいのか、ダメなのか、によっても変わってきますね。自分が逝ってしまうまでは中身は知られたくないというのであれば、家族に預けるとか友人に預けるというのは避けたほうが良さそうです。自筆証書遺言は封がされている場合は、勝手に開封してはならない、家庭裁判所において開封しなければならないというルールがあります。破ると過料の制裁があります。が、言ってしまえば過料の制裁に過ぎませんので、開られてしまう可能性は十分にありえます。ちなみに、そもそも封をしなくても構いません。

    そしてもう一つの問題点は、遺言者が亡くなったあと、必ず相続人に見つけてもらわなければならない、ということです。遺言の目的は、その後、銀行や法務局などにおける何らかの手続きで使うということです。銀行の預金を解約する、法務局で不動産の名義を変更する、そのために遺言を準備したのに、いざそういった手続きをしようというときに相続人たちが遺言の存在を知らなかったり、知っていても見つけることができなければ、遺言を書いた意味がありません。

    よくあるご質問に、「遺言を書いたことを家族に知らせるべきか?」というものがあります。全員に知らせるのか、一部の人にだけ知らせるのか、まったく知らせないのか。ご家族ごとに結論は違うと思いますので、一概には言えません。

    1の自宅の金庫は、開ける方法を相続人が知っているのであれば、有力な選択肢でしょう。費用もかかりません。しかし、もし自宅が火災にあったり、盗難にあったりするということもありえます。

    2の自宅の引き出しは、簡単に誰でも開けることができてしまいますので、重要書類の保管場所としては適してはいないかもしれません。

    3の銀行の貸し金庫はやめましょう。亡くなった人の銀行の貸し金庫を開けるには、戸籍謄本や相続人全員の実印と印鑑証明書が必要になります。私がお手伝いする場合は、遺言のなかに、「貸し金庫を開けることができる」という一文を加えるようにしています。遺言でもって貸し金庫を開けるのです。遺言書を貸し金庫の中に入れてしまっては、鍵を自動車の中に入れてしまうのと同じです。貸し金庫を、遺言者とその家族が共同で使用することもできます。遺言者本人だけでなく銀行に登録をした人も開けることができるようにすることはできます。しかし、そうすると中身を見られてしまう可能性も出てきます。

    6の司法書士などの専門家に預ける、はどうでしょうか。その専門家が遺言者本人よりも長く生きるという保証はありません。もちろんその場合でもしっかりと事務所内または別の専門家に引き継がれるようにしておくべきではありますが、そのような体制がきちんととられているかは確認のしようがありません。

    7の信託銀行に預けるというのは避けましょう。信託銀行は、何をするにもとにかく費用が高いです。信託銀行のチラシを見た人が私の事務所に来られると、「そんなに安いの??」と驚かれます。決して安いわけではないと思うのですけど。。しかし、費用がかかっても良いという方は、士業事務所よりは体制がしっかりしていそうですね。

    法務局に保管してもらう新制度

    上で見てきたように、遺言書の保管場所を選ぶのはなかなか難しそうです。しかし、2020年7月10日から、法務局で自筆証書遺言を保管してもらうことができるようになりました。

    自分で書いた遺言書の原本を保管してもらい、さらにスキャンして画像データとしても保存されます。データで保存されますので、災害などでも元データが存在している限り問題はなさそうです。また、自筆証書遺言は、「本当に本人が書いたのか?」という疑いが生じることがありますが、遺言者本人が法務局に出頭しなければならないので、その点も担保されそうです。

    また、遺言者が亡くなったあとに、自筆証書遺言を銀行や法務局で使うには、その前提として家庭裁判所において「検認手続き」を受けなければなりません。戸籍謄本を集めたり、なかなか手間のかかるものですが、これが法務局に保管してもらう場合は不要です。法務局に預ける段階でそれに相当する手続きを踏むということですね。

    このように、かなり良い制度のようですが、万能ではありません。法務局が関与するのですが、内容については一切検討されないということです。預かる段階で法務局が確認するのは、あくまでも形式的な点だけです。法律で定める遺言の様式に則っているか、ということだけです。その遺言が有効か無効か、はたまた銀行の預金を解約するときに問題なく使えるかということは、チェックしてくれないということです。

    自筆証書遺言か公正証書遺言か

    これまで、私が遺言のご相談をお受けしたときは、費用面の問題がなければすべて公正証書遺言で作成してきました。しかしこれからは、より身近に遺言を利用する流れができればいいと思います。自筆証書遺言を書いて法務局に預ける。文面を作成する段階で司法書士などの専門家の目を通せば、十分に利用する価値のある制度だと思います。

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