家族が亡くなったらまず何をすればいいのか
司法書士の手塚宏樹です。東京・小平市で司法書士事務所を運営しております。相続のご相談を受けるなかで、「なにから手を付けていいのか分からない」というお話を聞きます。この記事では、一般的な相続に関係する手続きについてご説明します。
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お通夜・葬儀・初七日のあと、できるだけ早く故人が契約していたあらゆるサービスを解約していく(ご自身でできます)
銀行口座、証券会社、水道光熱費、など一つ一つ連絡をしてサービスを解約していく必要があります。クレジットカードや銀行口座を止めてしまえば、そこから引き落としができなくなった時点で自動解約されることになるでしょうが、余計な引き落としを防ぐためにもすぐに解約していきましょう。
故人から全ての内容を知らされていなくても、クレジットカードや通帳の明細を確認することで手がかりが得られるかと思います。最近では、ネット上で完結するサービスも多いですから、故人がどのような契約をしていたかは、お部屋を片付けてもなかなか分かりません。
役所の手続きをする(ご自分でできます)
7日以内に死亡届を提出する、ということをはじめ、役所で行う手続きがあります。しかし、役所に実際に足を運べば、次は国民健康保険の窓口に行ってください、というように案内してもらえるでしょうし、その場で書き方を教えてもらえますから、それほど難しいことはありません。
遺言書がないか探す
ここからは遺産をどのように分けていくかに入っていきます。故人が遺言書をのこしていればそれに従うことになりますので、まずは遺言書がないかどうかを確認します。家族のなかでそのような話を聞いたことがないかとか、お部屋のなかを探すとか、貸し金庫や仏壇に入っている可能性もありますね。また、公証役場では、ある人が公正証書遺言を作成していたかどうかを検索してくれますので、問い合わせすることもご検討ください。私ども司法書士にご依頼いただくこともできます。
自筆で書かれた遺言(自筆証書遺言)が見つかったら、その場で封を開けることはしないでください。家庭裁判所に対して「検認」の申立てをして、家庭裁判所で開封するのが正規の手続きです。この手続きも司法書士が代行することができます。
遺産分割協議書を作成する(司法書士にご依頼いただけます)
遺言書があればそれに基づいて相続手続きを行っていくことになりますが、遺言書がなければ相続人全員で話し合いをして遺産分割協議書を作成し、それをもって相続手続きをしていきます。相続税が発生しそうなケースであれば税理士さんのアドバイスも聞きながら協議をすることが望ましいでしょう。分割の仕方によって相続税の額が変わってくることがあります。それとともに、相続税の額だけでなく、相続人みなさんのお気持ちも大事ですので、みなさんが納得する形で協議を終えることができるというのが一番です。相続を契機として、家族間の繋がりが切れてしまうということもありますので、そのようなことにならないように、お金だけではなく(もちろん税金は安いに越したことはないですが)、心情面にも配慮して協議を完成させることが重要と考えます。
不動産の名義変更、金融機関の解約(司法書士にご依頼いただけます)
法務局で、いわゆる相続登記を行います。難しくないケースであれば司法書士に依頼せずともご自身で行うことができるかと思いますが、専門家でなければそもそも「このケースは難しくないのか」が分かりませんし、登記漏れがあることも考えられます。最も多いのが、私道部分の登記漏れでしょう。法務局は、申請書に書かれた内容しか登記してくれませんから、申請人がしっかりと調査をする必要があります。身近な方で「相続登記は自分でやったよ」という方がいるかもしれませんが、あなたと同じ全く同じ条件とは限りません。相続登記だけでなく住所の変更や氏名の変更があることもあります。司法書士にご依頼いただくほうが、将来の問題を残さないといえます。
金融機関の解約も、戸籍謄本等が揃った段階で行っていきます。平日の日中に時間をとることが難しい方は、司法書士にご依頼いただくのがよいでしょう。
自動車の名義変更、保険会社への連絡(ご自身でできます)
相続税の申告(税理士さんにご依頼いただけます)
まず、大前提としてすべての人に相続税がかかるわけではありません。遺産が一定の額以下(基礎控除3000万+法定相続人の数×600万)であれば、相続税は発生しません。この場合、とくに税務署に対する申告は不要です。
相続税がかかるかどうかを検討するにあたっては、故人の銀行口座の残高証明書を取得したり、不動産の固定資産税の課税明細書を確認したりします。このあたりは、税理士さんにお願いする方が多いと思います。
調査の結果、相続税が発生するということであれば、申告書を作成し税務署に提出します。また、特例をつかって相続税を発生させないようにする場合も申告が必要です。
故人に不動産収入があったような場合は、所得税の準確定申告が必要となります。これは亡くなってから4ヶ月以内とされています。
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