亡くなった親の市民税滞納の通知がきた!どうすればいい?
司法書士の手塚宏樹です。疎遠になっていた親が税金を滞納していて、その請求が自分のところにきたとなれば驚いてしまいますね。しかも、親が亡くなっていた事実をその通知で知らされるということであればなおさらです。
そのような通知を受け取ってしまった場合、どのような対処方法があるのかをこの記事でご説明します。
目次
親が滞納していた税金の支払い義務
相続とは、プラスの財産だけでなくマイナスの財産、すなわち負債も引き継ぎます。したがって、亡くなった親が負っていた債務については、その相続人が支払わなければなりません。債務とはたとえば、何かを購入したときの代金や、生前に使用していたサービスの対価、借金、そして未払いの税金も含まれます。
基本的に、相続人が全員で連帯責任を負うことになります。
支払いたくない場合どうすればいいのか
支払いたくない場合であっても、故人の財産を相続する以上、支払う義務があります。故人の自宅の名義を相続するのに負債については支払わない、というわけにはいかないのです。
しかし、相続放棄をすれば支払い義務はなくなります。相続放棄とは、家庭裁判所に対して申立てをし、認められれば故人の債務については承継しなくてもよくなる、というものです。一切の負債について責任がなくなりますが、そのかわり、プラスの財産を引き継ぐこともできなくなります。自宅は相続するが税金の支払いは免れる、ということはやはりできないのです。
注意しなければならないのは、相続人の一人が相続放棄をすればその人については支払い義務がなくなりますが、ほかの相続人は相続放棄をしていないのであれば引き続き支払い義務を負っているということです。もちろん、相続人のなかには、債務を支払ってでもプラスの財産を相続したいという考えの人もいるでしょうから、相続放棄をするかしないかは個々の自由です。
連帯保証については注意
たとえば故人がお金を借りるときに、相続人である自分が保証人になったという場合は、自分自身が債務を負っているということになりますので、相続とは関係なく、支払い義務があることになります。したがって相続放棄をしても、その債務は自分独自のものとして残っていることになります。ただし、保証人となっていない他の相続人は支払い義務がなくなります。
相続放棄をしてその後はどうすればいいのか
家庭裁判所で相続放棄が認められると、相続放棄の手続きが完了したことの通知が送られてきます。さらに、「相続放棄申述受理証明書」という書類を追加で請求することもできます。
最初に送られてくる通知書を、請求してきた相手(市民税滞納ならば市役所)に対して送れば(コピーでも問題ない場合もあります)、その後請求がくることはありません。
とにかく、家庭裁判所で相続放棄をし、それが完了したことを相手に知らせてやる、で大丈夫です。
司法書士に相続放棄の手続きを依頼する場合は、こちらのページをご参照ください。
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