アフィリエイターが亡くなった場合、アフィリエイト報酬やアカウントは相続できるのか?
司法書士の手塚宏樹です。亡くなった方がアフィリエイト広告によって収入を得ていた場合、相続手続きはどうなるのでしょうか?
被相続人から詳細について聞いていたり、エンディングノート的なものに説明が書いてあるのであれば別ですが、何も分からない場合は、どこから手続きを進めていけばいいのかすら分からないですね。
目次
調査の開始
アフィリエイターは、アフィリエイトサイトを作成してそこに広告を貼り、その広告を通じて広告主の商品やサービスが購入されれば、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)から報酬を受け取ります。
故人のメールアカウントを開いてみれば、ASPとのやり取りの記録が見つかる可能性が高いです。また、銀行口座の入金の明細を見れば、ASPからの報酬の振込みが発見できるでしょう。
確定申告書類の控えからも情報が得られることもありえます。
アフィリエイト報酬・アカウントの相続は可能なのか
アフィリエイト報酬
すでに発生した報酬については、通常の債権として相続の対象になるでしょう。
アカウントの相続
問題は、今後のことです。これから発生する報酬はどうなるのか。さらに考えると、ASPとの利用契約や、サイト利用のためのレンタルサーバ会社、プロバイダとの契約はどうなるのか。
現状、すべての会社が相続について明確な規定を置いているわけではなさそうです。基本的な考え方として、「その人だけが使える権利」は相続の対象にならない、というものがあります。法律的には「一身専属権」と言います。
一身専属権でない、会社が利用規約において「相続できる」と規定していれば、相続人が故人の権利を引き継ぐことができそうです。
一方、本人が死亡すれば契約が終了する、としている規約も存在します。
相続人が引き継ぎサイトを使う場合
相続人にアフィリエイトサイトを管理する知識があり、引き継ぎサイトを運用していくつもりであれば、相続人自らがASPなどと契約して(故人の名前ではなく自分の名前で)アフィリエイターとして活動していく、ということになるでしょう。
これは厳密な意味では相続とは言えませんし、また、故人がASPとの間で取り交わしていた条件がそのまま相続人にも適用されるかどうかは個別の交渉になるかと思います。
サイトを放棄するときの注意点
相続人がアフィリエイトサイトの管理をする意思がなく、サイトを放置することも選択肢としては考えられます。
しかし、ASPの利用規約において、契約終了時には広告リンクを自分のサイトから取り除かなければならないとされているところがありますので、その義務を履行しない状態が続くのは好ましくないでしょう。
サイト管理者としては、自らに何かが起こったときに備えてエンディングノートや遺言によって、家族や知人に対して指示書を作成しておくべきと考えます。
関連記事
無料相談フォームはこちら
メールは24時間以内にご返信します