相続した財産はいつ自分のものになるのか?お金はいつ振り込まれるのか?
司法書士の手塚宏樹です。相続が発生すると、その後に様々な手続きをしなければなりません。不動産の名義変更や、金融機関の解約など、やるべきことはたくさんあり、また、葬儀費用の支払いなどもあります。お金の支払いとの関係で、相続手続きのスケジュールが気になる方もいらっしゃるかと思います。
目次
相続した財産の手続きの流れ
1.死亡届を提出
2.財産を洗い出して
3.遺産分割協議をする
4.法務局や金融機関に相続手続きをする
5.手続きが完了したら、自分のもとにやってくる
スケジュール感
金融機関に戸籍謄本一式、申請書を提出してから、手続きが完了するまでにはおおよそ1週間から1ヶ月程度かかります。これは金融機関によって異なります。早いところですと、数日で完了させてくれるところもありますが、何週間もかかってしまうところもあります。
しかしこれは、相続に必要な資料(戸籍謄本等)を集めて、遺産分割協議がととのったあとの話になりますので、そこまでの作業がどのくらいで終わるかによります。
相続開始から、すべてがスムーズにいって、ものすごく早くて1ヶ月というところでしょうか。通常は2~3ヶ月程度はかかると予定しておいていただくとよいでしょう。ただし、あくまで遺産分割協議が揉めてない場合です。
口座が凍結されるのはいつか
相続人が金融機関に対して連絡をすると、「このお電話をもって口座を凍結いたしますね?」と確認されて、それ以降、口座は入金も出金もできなくなります。
銀行引き落としを利用しているサービスなどは早めに引き落とし口座を変更しておきましょう。引き落としができないと自動的に解約されてしまうこともありますので、そうなっては困るものについてはきちんと手続きをしておかないといけません。
口座凍結前ならキャッシュカードで引き出せる
口座が凍結されるまでであれば、故人のキャッシュカードを使って引き出すことは可能です。もちろん暗証番号は必要ですが。
「そんなことをして大丈夫ですか?」と聞かれることがありますが、それで銀行や税務署から怒られるとかいうことはありません。
しかし、ほかの相続人の方とトラブルにならないように、メモを残して使途を明確にしておくべきです。
相続放棄できなくなるので注意
故人の銀行口座からお金を引き出すと、単純承認したものとみなされて相続放棄ができなくなってしまいますので、マイナス財産のほうが多い可能性がある場合には、この方法は取るべきではありません。
仮払い制度
遺産分割協議がととのえば、それに基づいて全額を解約すればよいですが、遺産分割協議がなかなか成立しないような場合は、金融機関から仮払いを受けることができます。
しかしこれは、金融機関ごとに150万円までとされています。
まとめ
故人が遺してくれたお金が相続人の口座に振り込まれるまでには、思いのほか長い日数がかかります。早め早めに準備を進めていくことをおすすめします。金融機関の解約手続きは司法書士も代行できますので、平日に休みをとれない方などはご利用を検討されるとよいでしょう。とくに、不動産の名義変更を司法書士に依頼する場合は、使用する資料が共通していますので、手続きをスムーズに進めてくれるでしょう。
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